広島で翻訳茶

広島で働く、英語・日本語の翻訳者/翻訳茶=緒方亮のブログ

広島→大阪→広島

もうだいぶ時間がたってしまいましたが、4月初めに大阪に行ってきました。純粋に、日記的に書いてみます。

お花見

1日目は取引先のお花見に参加させてもらいました。屋形船です。桜は川の対岸からみるのが好きなのですが、それが両側というなんとも贅沢な状態です。船の揺れもあり気持ちよーく酔ってしまい、写真など1枚も撮れず。営業的なこともなにもやれてない。貴重な話を聞けるチャンスだったのにとホテルにて反省。

寄席

2日目の土曜日は雨の中、天満天神繁昌亭の昼席へ。開場に少し遅れてしまい補助席でしたが、適度な大きさの小屋で楽しめました。これまでは地方の独演会しか行ったことがなく、寄席というものをぜひ経験してみたかったのですが、やはりよかった。中入り後は係員さんに案内してもらい2階の通常席へ。

ところで、この日は北朝鮮のミサイル/人工衛星/飛翔体発射について誤報が飛び交っていました(と読んでいます)。寄席の空間にいたためリアルタイムの報道情報は入ってこず、噺家さんのまくら経由でのみ伝え聞いたので、日本全国の緊張感とは無縁でした。

ただある噺家さんが「○○に一部落ちたらしいですね−」と話した際には、開場に少し悲鳴的な声も。「ここは落語ですから、本気にしちゃ駄目」と慌てて取り消されてしましたが、やはり緊張感が高まっていたのでしょうか*1

日本一の商店街

寄席を出たら、雨はいよいよ本降りでした。天満宮をちょっと観たあとでとりあえずアーケード街へ避難。とりあえずここを端までと、歩き始めたのはいいけどいつまでも端がやってこない。この天神橋筋商店街が「日本一長い商店街」なのだと知ったのは後のことです。そういうものがあることは、前日に聞いていたのですけど。

立ち飲み屋とお寿司屋が目につきましたね。土曜だからか昼間過ぎから結構飲んでいる人がいます。昼酒好きの自分としてはうらやましい環境です。この日は仕事もあり昼酒断念。

1ヵ所だけ写真を撮りました。「雨の日は路面が滑りやすいので自転車を降りて通行してください」とあります。普通の注意書きなのですが「あ、ゆるい」と思ったのです。

広島にも本通商店街というアーケード街があります。ここは昼から20時くらいまで、自転車走行は禁止されています。制服を着た指導員の方がいて、熱心な方は走行中の自転車の前に立ちはだかって、規則の徹底に努めおられます。

大阪の緩さの方が僕の好みでした。危険を感じることもなかったし*2

商店街再訪し帰宅

翌日、日曜日は心斎橋方面で用事を済ませたあと、もう少し南下して「濃い大阪」に進出したかったのですが*3、帰りのバスの時間もあるので*4一通り知った商店街を再訪。地元の人に教えてもらった寿司屋「すし政」で昼酒して*5、煮干ラーメンを食べました。アーケードから入った通りにもいろんな店が立ち並び、文字通り「一通り」しか見ていなかったのだと気がつかされる。

2泊ではやはり足りないという思いで、でも気持ちよく帰路につきました。

*1:自分はというと、地元ではないので○○という地名が聞き取れず、相変わらずのぼんやり

*2:あと、違いを感じたのは駐輪状況。本通は駐輪禁止のバーとポールが至る所にあるのですが、現実的にスペースがなく避けるように駐輪されています。かえって通行を妨げる結果に。無秩序の整然性を活かして、駐輪禁止の措置はピンポイントで実施した方がいいんじゃないかなー

*3:ラジオの「放送室」で絶賛されていた「信濃」にも行きたかった

*4:高速バスです。広島駅よりバスセンターが近いのでよく利用します。広島大阪は3列シートなのがいい

*5:回ってないのが不思議な価格

ある夢にまつわる文章

久しぶりの更新ですが、今朝みたばかりの夢の話です。情報ゼロ、お知らせゼロ。非公開の日記帳にでも書いておくべき内容ですが、どうしてもどこかに投げておきたくて。

警告しましたからねー

追記:ごめんなさい。RSSで写真を含む全文が配信されちゃいました。「続きを読む」の設定をしたらそこまでが配信されると勘違いしてました。

続きを読む

村上春樹、エルサレム賞の受賞スピーチ、共同の要旨と、エルサレムポストの紹介記事(英文)など

前回書いたようにハアレツ紙(ヘブライ語紙)の編集長が審査委員長なのだけど、現地英語紙の方が早かった。ハアレツ紙英語版サイトにはまだ見あたりません。探し切れていないだけか、ヘブライ語紙の限界があるのか。

全文載せて欲しいな。選考した以上、その責任はあるのでわん。

エルサレムポストの記事はスピーチからの引用が大部分なので、実際の言葉に触れられます。訳出したいところですが時間がとれずすみません。共同の要旨を参考に読んでみてください。

作家の言葉でした。運動家の言葉とは違いますが、予想以上に気合いはいっていました。

追記

追記1
エルサレムポストの記事より、村上氏の発言部分のみ抜き出してありました。同氏の発言にのみ興味がある人は、こちらが見やすいかも。
壁と卵 - 池田信夫 blog

追記2
id:sho_ta氏が、上記英文抄録にAPから発言内容を補足して訳出されています。非常に参考になります。感謝ですね。ぜひ読んでみて下さい。
はてなダイアリー

id:sho_ta氏は「現時点での感想」として次のように書かれています。

「ユダヤ対アラブ」という構図を「システム対個人(壁対卵)」と読み替え、普遍性、汎用性を高めているあたりがうまい

なるほどですね。これは同時に村上氏の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドasin:4101001340から始まる同氏の物語世界への落とし込みでもあり(壁、システム、完結した世界)、現地読者は受け取るものが大きいと思いました。

id:sho_ta氏がAPから補足してくれている部分を読んで、僕は「壁」の導入の仕方に感心しました。

【僕は立ちすくんでいるよりも、ここに来ることを、目を反らすよりも見つめることを、沈黙よりも語ることを選びとりました。そのうえで、僕はひとつの、とても個人的なメッセージを届けるためにここに来ています。これは僕が「フィクション」をつづるさいにいつも心がけていることであり、紙切れに書きつけて壁に貼る、というわけではないけど、僕の心の「壁」には刻み込まれていることです。それは、】
 もしその「壁」が——その壁にぶつけられる「卵」が壊れてしまうほど——固く、高いものであるならば、どんなに「壁」が正しくとも、どれほど「卵」が間違えていたとしても、僕は卵のそばに立つでしょう。


壁は一般的な壁から村上氏自身の(人々の)内にある壁へ、そして「卵と壁」の壁へと展開されます。そして、このシステム(壁)を作ったのはわれわれなのだ、操られてはならないという主張がなされます。分離壁嘆きの壁の土地です。問題が先鋭化する暇を与えず相手に入っていき聴かせる(読ませる)技術はさすがです。今さら文章のうまさを語っても仕方がないのですが。ここを削ったエルサレムポストは減点3点かな。

エルサレム賞の公式ページによると、この賞は「社会における個人の自由」を示す著作の書き手に対して贈られてきたとあります。このスピーチ、そのまんまなのでは。選んだ側も大満足でしょう。

全文原稿

ハアレツ紙のページにきちんと署名入りで掲載されました。音声から起こしたものではなく、たぶん用意された原稿でしょうね。こちらで翻訳されています。
http://www.haaretz.com/hasen/spages/1064909.html

まだ読んでない。。この記事の追記はこれで終了!

Eye-Fiのキャンペーンすっかり忘れてた。間に合うかな。

iPhoneを購入して、最大の誤算がカメラにマクロモードがないことでした。そして2番目の誤算は、使いすぎてバッテリーがもたないこと。音楽聴きながらふらふらして、メールチェックやウェブをやってるだけで半日くらいで10%を切る。電話しかしないなら問題はないのですが。

2つの誤算が相まって、iPhoneのカメラはほとんど使っていません。バッグにはいつもリコーのR8が突っ込んであるので、あればこちらを使う。マクロに強く、搭載液晶も高性能で、メモようにもってこいなのです。

ただ面倒なのはいちいちUSBでつないでコンピュータに取り込むこと。だから、「SDカードに無線LANが入ったEye-Fi Share欲しい!」のです。

では、目の写真をば。自分なんだけど。



修正:%7Cってやつを修正してみた。これでおいてもいいやい。でも当選しますように。ナムナム。

村上春樹が受賞する「エルサレム賞」について調べてみた

村上春樹が「エルサレム賞」という文学賞をを受賞するらしい。受賞スピーチもあるということで、ボイコットしろだのスピーチでイスラエル批判しろだのといった話も出てきている。過去の受賞者、運動家でもあるスーザン・ソンタグはかなり強烈にイスラエルの占領を批判する演説をやったらしい。

いま、この時期に、エルサレムから文学賞というと騒ぎにはなるだろう。でも、どんな文学賞なのかよくわからず、Wikipediaにもあまり詳しく書かれていない。そこでちょっと調べてみた。

イスラエル国際ブックフェア公式ページ(英語)からの情報

http://www.jerusalembookfair.com/main.html
http://www.jerusalembookfair.com/the_jerusalem_prize.html

選考委員会はエルサレム市長が任命。今回はハアレツ紙のDov Alfon編集長、ヘブライ大学のDwora Gilula教授、作家のエトガー・ケレット氏。

2月15日のフックフェア開始日に授賞式。伝統的に市長がエルサレムで受賞者に授与する。2009年受賞者(=村上春樹)はブックフェアへ参加の意向。

過去の受賞者はバートランド・ラッセルオクタビオ・パス、V・S・ナイポールJ・M・クッツェー(以上はその後ノーベル文学賞)、シモーヌ・ド・ボーヴォワールアーサー・ミラースーザン・ソンタグ、マリオ・バルガス・リョサミラン・クンデラほか。

補足と雑感

ジェリーフィッシュは未見です。11月に当選した実業家出身の市長が選定にどの程度関わったのかはよくわからない。ハアレツ紙はパレスチナ側からもそれなりの信頼があり、しかしイスラエル企業としての限界をもつ、なるほど。

イスラエル側(新市長)が賞を政治利用しようとしている印象も受ける。授賞するのはエルサレム市長だ。運動家の方たちはそこに反応するのかもしれない。しかし、作家がそう簡単に利用されるものだろうか。作家には作品があり読者がいる。ヘブライ語にもアラビア語にも翻訳があるみたいで、村上春樹の場合はそこが強みなのだろう。http://en.wikipedia.org/wiki/Haruki_Murakami

一読者としては村上春樹氏の受賞スピーチには注目する。ただ運動家としてのものではなく、小説家としてあの土地の読者に語りかけることを期待している。その方が「政治的」にもずっと有効に違いないと思うから。それは、彼が唾飛ばして占領政策を指弾する姿は見物ではあろうけど。

文化系トークラジオ Life「2009年のチェ・ゲバラ」 ウェブ中継はなし

ウェブ中継はないみたいですね。ラジオの放送枠外じゃないんだから当然と言えばとうぜんか。というわけで広島だとPodcastingまちなのですが、勘違いして予習してました。映画『チェ 28歳の革命』@シネツイン新天地。

あとで独立した日記で書くかもしれないけど、背景の予備知識がないと苦しいですね。僕も予備知識あまりなし組でした。系列劇場のサロンシネマで、親切にも時系列的に『28歳の革命』以前を補完する『モーターサイクル・ダイアリーズ』をやってくれていたので、それをあとから観て『28歳の革命』の国連演説のシーンが何を描きたかったのかを理解できました。残念ながら『モーターサイクル』上映はサロンシネマ では16日まででもう終了しています。

とりあえず、レンタルDVDでもいいから『モーターサイクル』を観てからの『28歳の革命』をお勧めします。

配給会社がYouTubeに知識補完的な動画を「特別版」として上げているのですが、テレビ的でいまいちです。
http://jp.youtube.com/user/gagamovie

こんなソニーは大好きだ。

ポケットスタイルPC「VAIO type P」
http://www.sony.jp/cm/vaio_p/index.html

各所で評判になってますね。CM無理ありすぎ。でも、インタビューを読む限り、中の人は作りたいもののイメージが明確にある。

笠原一輝のユビキタス情報局
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2009/0108/ubiq239.htm

Vistaじゃやっぱりねー」なんて買わない理由を見つけるのではなくて、こういう製品をばっと買っちゃえる人はかっこいい。僕は買わないのだけど。ともあれ、Rolly以来の快挙だと思いました。

ウォーリーを見て以来、どうもRollyが欲しくて仕方がない。